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『ゴールデンエイジって何?』子どもの発育曲線について(スキャモンの発育曲線)

Kid ゴールデンエイジ アイキャッチ画像 近田晃

誰でもわかるように『ゴールデンエイジ』や『プレゴールデンエイジ』などについてとともに、子どもの0-12歳の発育について(スキャモンの発育曲線)を解説していきます。

これが分かれば、子どもの年齢に合わせた強化すべきポイントも理解できると思います。

ゴールデンエイジなどについて知る為には、まず子どもの発育(スキャモンの発育曲線)についてしっかり知る必要があります。

スキャモンの発育曲線とは?

今から約90年前の1930年にScammonにより『身体の属性を4つのパターンに分類される』ことを提唱した理論となります。

20歳(成熟時)の発育を100として、各年齢の値を100分比で示してあります。
それぞれの年齢により身体の発育が異なるため、下記を考慮したプログラムを作成する必要があります。

スキャモンの発育曲線(英語原文)

スキャモンの発育曲線(英語原文)

子どもの発育曲線『スキャモンの発育曲線』について

スキャモンの発育曲線(日本語版)

各タイプについて

①リンパ系型

リンパ型は免疫力を向上させる扁桃やリンパ節の発達に関することで、12歳/13歳でピークを迎えます。
その後成長に伴い成人のレベルへと戻っていきます。
『子どもの免疫力は12歳/13歳までがピーク』というのを覚えておきましょう!

②神経型

神経型は運動能力など全ての神経に関することで、出生直後から急速に発育し4歳/5歳には成人の80%程度まで発育します。
そして9歳-12歳で神経系の発達が成人レベルに達し、スポーツのスキルなどをすぐに身体で覚えることができます。
『0-12歳で神経系は完成する』というのを覚えておきましょう!

③一般型

一般型は全身の外形値についてで、身長/体重/筋肉や骨/心臓や肝臓などの胸部や腹部の臓器発育のことを言います。
出生時から一時的ですが急速に発達をします。その後緩やかなになりますが、12歳/13歳から再び発育が活発となります。
『一般型=筋骨格系で、12-13歳から成長が活発になる』というのを覚えておきましょう!

④生殖型

生殖型は睾丸/卵巣/子宮などの生殖機能に関することで、14歳ごろから急速に発達します。この発達に伴い男性ホルモン、女性ホルモンの分泌量が増加し、性差が出てきます。
『性差が現れやすいのは14歳前後ごろ』というのを覚えておきましょう!

各時期について

※原文では下記時期の名称については記載がありません。
各サイトや文献でも下記時期について違いがありますが間違いではありません。
今回は一般の方が覚えやすい方で説明していきます。

なので大体こういうニュアンスのことなんだと理解していただくのが良いかと思います。

①ゴールデンエイジ

9-12歳は神経系が成人レベルに達し、特にスキルを覚えやすくなります。
このスキルを覚えやすい時期を『ゴールデンエイジ』と世間では呼ばれております。
ここではわかりやすい説明をしたいので、『6-12歳』をゴールデンエイジという認識で説明します。
この時期はプレ・ゴールデンエイジで培った基本的な運動能力を元に、様々なスキルをすぐに身体で覚えることができるので、専門競技の基礎的な動作習得に適しております。

②プレ・ゴールデンエイジ

神経系は出生直後から急速に発育(0歳-5歳で80%程完成)し、9-12歳で100%と成人レベルまでになります。
このゴールデンエイジ前の時期=神経系が80%程完成する時期のことを『プレ・ゴールデンエイジ』と呼ばれております。
ここでは『3-6歳』をプレ・ゴールデンエイジという認識で説明します。
この時期は全ての運動において必要な『基礎的な運動能力の動作習得に適して』おります。
主に子どものころに行うような『遊び』をメインに様々な動きを取り入れた方が良いです。
そうすることで運動能力の基本的な部分を鍛えることができます。

③ポスト・ゴールデンエイジ

12歳以降は神経系が100%で脳が発達し、十分な理解力も備わっております。
また一般型/生殖型の発育が急激となり、発育のスパートを迎えます。より複雑な動きを鍛えることが可能な時期となります。
このゴールデンエイジ後の時期=100%以降+発育スパートの時期を『ポスト・ゴールデンエイジ』と呼ばれております。
ここでは『12-16歳』をポスト・ゴールデンエイジという認識で説明します。
主にゴールデンエイジよりもより複雑なスキルや身体の成長に伴い心肺機能や筋骨格を鍛えるトレーニングなどができます。
例えばウェイトトレーニングだと自重or軽い重さでの基本的なフォーム習得などを行うと良いでしょう。

スキャモンの発育曲線の注意点とは?

スキャモンの発育曲線については上記でまとめた通りです。
4パターンあるとわかったと思いますが、いくつか注意点があるので下記にポイントを記載します。

・あくまで子どもの成長は人それぞれなので、スキャモンを意識しつつも各お子さんにあったトレーニングをすると良いでしょう

・性差による違いがあります。男性の方が女性よりも成長が1-2年程遅れると言われております。

・スキャモンの時期名称(〜エイジ系)はサイトによってまとめ方が異なりますので、大体こういうニュアンスなんだという風に覚えておくと良いと思います。

まとめについて

上記で様々なことをお伝えしましたが、情報量が多くてわからないや子どもに対して何をすれば良いかわからないという方のために、『僕が自分の子どもの運動能力を上げるためにどうする?』となったら、下記のように進めます。
ぜひ参考に自分のお子さんに合わせたことをさせてあげるとよりスポーツを楽しめるかなと思います!

①0-5歳で様々な遊びをさせる(プレ・ゴールデンエイジを意識)

②5-9歳でより遊びのルールを複雑にしつつ、多くのスポーツを経験させてあげる(ゴールデンエイジを意識)

③9-12歳で気に入ったスポーツをメインに行わせ、そのスポーツの専門的動作の習得にフォーカスする(特にスキルが覚えやすいから)

④12歳以降で徐々に自重でのトレーニングから、基礎的なウェイトトレーニングなどのフォーム習得を開始させる(ポスト・ゴールデンエイジを意識)

どうすればいいかわからないなどご相談したいことがありましたら、お気軽に『お問い合わせフォーム』からご連絡ください!
少しでも皆様のお力になれればと思います。長文を読んでいただきありがとうございました!

 

参考文献
・公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト 6刷 第6巻 予防とコンディショニング p63
・トレーニング指導者テキスト 理論編 第7刷 p137
・Scammon から Fujimmon の発育曲線へのアプローチ:藤井 勝紀
・発育発達と Scammon の発育曲線:藤井 勝紀
・SCAMMON R. E.(1930)The measurement of the body in childhood.
・Pattern Analysis Based on Standardization Model in Human Growth
-Proposal for Fujimmon’s & Scammon’s Comparative Growth Curve-: