『子どものいるご家庭やコーチのお悩みを解決する』をテーマにしたブログです。

『良い治療院を選ぶには?』プロトレーナーの視点から見る治療院選択について

『治療院や整骨院など、どこへ行けばいいかわからない』という質問をジュニアチームや職場の方が怪我された時に良く聞かれます。今回は『スポーツに関わる方向け』にプロトレーナー/柔道整復師の視点から説明できればと思います。長文になりますが、ぜひ皆さんのお悩み解決のお手伝いになればなと思います。

治療院の種類について

※様々なご意見があるかと思いますが、この記事はあくまで僕の個人的な意見です。
※怪我して『どこに行けば良いかわからない』という悩みを持っている方向けに作成しております。
中々こういう記事はないと思うので、参考になればと思います。

どこに行けば良いか?を知るためには、まず『治療院の種類について』を知る必要があります。
治療院には大まかに下記の図のパターンがあります。それぞれについてメリット/デメリットを含め説明します。

治療院の種類についてをまとめた表

治療院の種類について

治療院

世間で良く聞く言葉『治療院』。実は治療院というのは大まかなジャンルです。
もちろんお店の名前に『〜治療院』というのもありますが、基本は治療院というジャンルで、その中にいくつかのパターンがあります。なので『治療院』という名前だけでお店を判断すると、実は有資格者じゃない方が施術されているパターンもあります。

整形外科(スポーツ整形外科)

こちらも良く聞く言葉『整形外科』。こちらは治療院とは別のジャンルとなります。
皆さんのイメージ通りで主に病院の中にある『整形外科』となりますね。
あまりスポーツをしない人は聞かないかもですが、実は『スポーツ整形外科』というのもあります。
これは整形外科の中でもよりスポーツに特化した整形外科となってます。

メリット
・国家資格の『医師』、世間で言う『医者』がいる
・医者がいるから『レントゲンやMRI/CTなど』様々な医療機器があり評価が正確で、また環境が整っている
・リハビリなどの施設も併設されており、病院で全て対応可能となっている

デメリット
・患者の数が多く、1人あたりの質がどうしても悪くなってしまう傾向がある『病院のクオリティによりますが』
・レントゲンやMRI/CTなどではわからない外傷/障害には弱い⇨これは後述する整骨院/鍼灸院などの方が強い
・予約しても時間通りにならないことも多々ある⇨多忙な方にはきついデメリットかなと

整形外科はMRIやCTなど正確に怪我を評価できるので、最初にまず受診して『患部がどんな状態になっているか』を把握し、ドクターの判断を聞くことが重要だと考えます。追加でそこでのリハビリする(スポーツ整形外科の場合はそこでのリハビリ推奨)or違う治療院へ行くの判断はご自宅と周りの施設との兼ね合いで判断するのがベターかなと個人的には思います。

整骨院(接骨院)

治療院というジャンルの中の1つに整骨院(接骨)があります。
整骨院と接骨院、実は全く同じというのをご存知でしょうか?
元を辿ると長くなってしまうので割愛しますが、昔の呼び名が『接骨院』、ここ最近の呼び名が『整骨院』となってます。

メリット
・国家資格の『柔道整復師』を保持
・主に『急性外傷や痛みの治療』に対して強い
・骨折や脱臼の整復ができる
・保険適応できるから値段が安い?⇨最近は保険適応が厳しいので、整骨院業界で『保険+自費治療』の流れが強いのでなんとも言えないなという感じです

デメリット
・病院ではないので、正確な評価をする機器は使えない。あくまで『その先生の主観的な評価』のみとなる
・外傷や痛みの完治は強いが、リハビリをする施設ではないので、再発防止のリハビリはまた別でするorリハビリしないで復帰がある(整骨院によってはリハビリしてくれる所もありますが)

整骨院(接骨院)は主に『手技治療』をメイン+物理療法といって、治療機器を使っての治療が得意です。
痛みを治すのは強いですが、病院でのリハビリのように『再発防止』のために何かをしてくれるわけではないので、そこは自分でどうにかする必要があります。

鍼灸院

整骨院(接骨院)と同様で治療院のジャンルの中の1つに鍼灸院があります。

メリット
・国家資格の『鍼灸師』を保持
・主に『急性外傷や痛みの治療』に対して強い
・手での施術では対応できない難治性の外傷/障害に対しても、鍼を用いてあらゆるアプローチが可能

デメリット
・鍼を用いての治療なので、どうしても鍼に合う合わないがある
・病院ではないので、正確な評価をする機器は使えない。あくまで『その先生の主観的な評価』のみとなる
・外傷や痛みの完治は強いが、リハビリをする施設ではないので、再発防止のリハビリはまた別でするorリハビリしないで復帰がある(整骨院によってはリハビリしてくれる所もありますが)

鍼灸院は鍼を用いて、整骨院ではできないツボを用いたり、直接患部に鍼を刺す治療をしたりと様々な痛みに対してアプローチできるのが強みです。ただどうしても鍼を刺すので、『異物が入っている感じが嫌だ』、『鍼を刺したあとのだるさが重くて嫌だ』など、その方との相性が出てきてしまうので、こればかりはやってみないとわからない部分かなと思います。
※鍼を刺したあとのだるさは『好転反応』と言うもので、決して治療が間違っているとかではないです。

整体院

整体院も治療院のジャンルの中の1つに整体院があります。
よくSNSで『ボキボキ音』で見かける施術はこのカイロプラクティックという手技によるものです。
アメリカで認められているドクターと同じ国家医療資格の『Doctor of Chiropractic』の手技、『カイロプラクティック』をベースに対応します。ただ後述しますが『病院/整骨院/鍼灸院』と異なり、国家資格保持者ではないので、当たり外れが非常に大きいのが整体院となります。

メリット
・主に骨の位置を調整(アジャスト)する手技を用いて治療するので、『身体の歪み』などに強い
・また骨の位置がズレていることによる痛みに対して強い

デメリット
・日本のカイロはアメリカ公認資格や日本の国家資格と違い、資格がなくてもできる⇨誰でもなれてしまうため、国家資格保持者たちと違い当たり外れが非常に大きい
・骨がズレているものが原因の痛みは強いが、スポーツなどの組織的に傷がついているものなどは弱い

日本でもアメリカから学んできた凄い先生たちも沢山おり、もちろんカイロで症状が改善した例も多数あります。
しかし整体院は医療系の専門学校or大学を卒業しているわけではなく、誰でもなれてしまいます。整骨院or鍼灸院でも当たり外れはありますが、施術を受けて『怪我が悪化する』ことはあまりないです。しかし質の悪い整体院では施術を受けて『怪我がより悪化した』ということがあります(僕が勤めていた職場でも過去に整体にてボキボキしてより悪化したという報告は何件も受けてます)。誰か知り合いの口コミや紹介で行くなら良いですが、何も知らずに行くには整骨院や鍼灸院よりも『お店を見抜く力』が重要と考えます。

その他

60分2980円のマッサージ屋さんなどありますが、あれはあくまで『リラクゼーション』が目的ですので、治療院というジャンルには含まれないと僕の中で判断させていただきました。

良いお店か見抜くポイント

上記で治療院についてご説明しましたが、次にその数ある治療院が『良いのかどうかを見抜くポイント』について説明します。
実際に僕が現場で『どういうお店行けばいいでしょうか?』と聞かれた際にお答えしている内容になります。

下記に記載される内容が多くあるお店を選ぶと良いと思います。

病院について

①有名なプロ選手や有名なチームのチームドクターをされている医師がいる
⇨身体を資本としたプロ選手たちが頼るドクターなので、信頼と実績がある方が多い

②世界的な学会等で発表をされている権威のある医師がいる
⇨得意とする専門分野を極めている方が世界的な学会で発表されるので、これがある方はその分野において極めている方である

③日本スポーツ協会公認スポーツドクターの資格を保持されているドクターがいる
⇨この資格は推薦+試験を受けて合格できる資格であり、この資格を持っている=スポーツに対しての知識があると判断できる

④整形外科でも『スポーツ整形外科』がある
⇨整形外科の中でもスポーツに特化した整形外科のことを『スポーツ整形外科』といい、スポーツのリハビリなどもできることが多い

治療院について

①有名なプロ選手や有名なチームのチームトレーナーorメディカルトレーナーの経験がある
⇨身体を資本としてプロ選手たちが頼る先生なので、信頼と実績がある方が多い

②スポーツチームの現場経験がある
⇨スポーツチームで経験があれば、現場の声や要望なども理解されている方が多いので、スポーツ復帰の相談がしやすい

③日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の資格を保持している先生がいる
⇨国家資格ではないが、合格率が約10%の狭き門であり、現場実習が必修となっている資格。スポーツ復帰の相談がしやすい

④地域密着型で長年経営されているお店
⇨長年経営されている=信頼がないと成り立たない職業なので、あらゆる経験をされている方が多く、スポーツ復帰の相談がしやすい

まとめについて

情報量が多くてちょっと何すれば良いかわからないという方向けに、僕だったら『怪我してからこの順番で進めていく』というのを最後にまとめます。

①怪我発生
②良い病院を受診し、『患部の状態を正確に把握/先生の判断を聞く』
③治療が必要な場合は『良いお店の条件に当てはまる治療院を近隣で探し受診する』
④治療を受けて痛みの完治をする+自分でトレーニングを実施する
※病院でスポーツ整形外科を受診する場合はそのままそこで治療/リハビリを任せるのがベスト

今はSNSが発展して、すぐなんでも情報を見つけることができます。しかし良い情報/悪い情報ももちろん沢山ありますので、良いものを見抜く力が重要であると僕は考えます。

良いお店の条件以外に『口コミ』があると思います。もちろん知っている人からの口コミ/紹介ほど有力な情報はないと思うので、それがあればそれを信じて治療院に行くべきと思います。ただそういうのがなくてネットで口コミを見て判断となると、今どき金で口コミを買える、またはお金でひどい口コミを書いてもらう』というのができるので、ネットの口コミだけではあまり参考にならないと思います。

口コミ以外で判断できるポイントとして今回の記事を作成しようと思いました。この記事を同じ業界の方が読んで、『もし気分を害された方』がおりましたら申し訳ないです。ただ僕個人の意見としてこの記事を書いておりますので、ご了承いただければなと思います。

長文ではありましたが、この記事を読んでいただき、皆様のお悩みの手助けになれたら嬉しいです。
そして良い治療院で素敵な先生に施術していただき、よりスポーツを楽しんでいただければなと思います!

ありがとうございました!